一言で言うと無茶。
確かに無茶をすることで20キロを落としたのは事実ですが、労力のわりにたいした効果はあがっていなかったんだと思います。
ご飯の量をそんなに減らしたら、生きて行く上で必要なエネルギーを充分に摂れないので、確実に体を悪くします。
抵抗力が落ちるので風邪を引きやすいとか、エネルギー不足なので日中ボーっとしてしまうとか。
そんな状態で運動したとしても、うまく体の体脂肪が燃焼してくれませんし、運動後に筋肉を作ろうとする体に必要な栄養をあたえないのだから、運動効果がすごく落ちます。
腕立て腹筋スクワットを毎日100回やれば、確かにそこそこ筋肉はつきます。
しかしプロレスラーになるわけじゃないのだからそこまでする必要が無い。
まずそもそもそんなダイエットは続きませんし、激しい負荷をかける運動は体脂肪を燃焼させるのには役立たないので、ダイエットの目的を果たせません。
「太る体質を改善」するためのナントカ体操を続けてみた時期もあります。
でもこれは効果があったんだかなかったんだか・・。
こんな無茶を合計3年間くらい続けていられたのは「ヤセなければ女にモテるようにならない!」と信じていたからです。
この危機感、モテたいという目標はずっとダイエットの原動力でした。
今日はもうカッタルイ、みたいな時も「ここで休んだらまた太るぞ、女にモテないぞ〜」という心の声がどこからか聞こえてきて、体がひとりでに動きだしたものです。
思うに、ヤセるための最も重要な秘訣は「強烈な動機の有無」なのではないかと思います。
動機がはっきりしていればいるほど、それが自分にとって強烈なものであればあるほど成功確率が高まって行くのではないかと思います。
僕の場合、ヤセなければ女にモテない、と自分を追い込んでいたのでやめるわけにはいきませんでした。
動機が強ければ、続けていける。
続けていけば必ず成功する、逆に言うと続けなければ成功しないのがダイエットなのではないかなと思います。
だからみなさん、なるべく自分を奮い立たせる動機をみつけてください。
さて、それが見つかったらダイエットの実践に入ります。
太るのは、摂取したエネルギーよりも消費したエネルギーが少ないからです。
ならば食べるのを減らしてガンガン動けばよいのか?と思いますが、それは僕の例を読んでもらえばわかるとおり、あまり効率的な方法ではありません。
一言で言えば、栄養バランスのとれた食事をし、それをスムーズにエネルギーとして消費できる体作りをすれば良いのだと思います。
そのキーワードは「基礎代謝」。
基礎代謝というのは呼吸や体温調節などの生命維持に使われるエネルギーで、1日の総エネルギー消費量の70%が基礎代謝によるものと言われています。
日常生活の中で一日中ゴロゴロしているのでなければ特に運動をしていなくても基礎代謝によってエネルギーをどんどん消費していっているのです。
だから基礎代謝が高い体を作れば、それだけ食事によって吸収したカロリーを消費できる体になる。太らない体になっていく。
その上で適度な運動をすればどんどんやせていく。
では基礎代謝を高めるためにはどうすれば良いのか?それは筋肉をつけることです。
筋肉が働くためのエネルギーとして脂肪分を必要とします。
だから筋肉の量が多ければ多いほど、燃焼する脂肪の量も増えていく。
食べないダイエットは、脂肪と同時に筋肉も落ちてしまうので、結果的に太りやすい体質になってしまうんです。
では筋肉をつけるためにジムへ行ってひたすら重いウェイトを上げればいいのかというと必ずしもそうではない。
先ほどもチラリと触れましたが、重い負荷によって発達する筋肉は「速筋」と呼ばれ、体脂肪ではなく糖をエネルギー源とします。
だからハードトレーニングで速筋をいくらつけても、ダイエットにはいまいち結びつかない。本当につける必要があるのは「遅筋」と呼ばれるものです。
遅筋はジョギングやエアロビクス・ウォーキングなど、いわゆる有酸素運動によって発達します。
有酸素運動というのは最大の心拍数が1分間に120〜140の運動を20分以上続ける運動のことを言います。
要するにゼーゼーハーハー言わない運動。
これらの運動自体は、体重減にさほど影響を及ぼしません。
せいぜい数百グラム体重が落ちるくらいです。
しかしこの有酸素運動の目的は、基礎代謝を高め日常生活の中で常にカロリーを多く消費できる体を作ることなのです。
オススメの運動は、手軽にできるものとしては、20分以上のウォーキングや、ゆっくり1キロくらい泳ぐ水泳。
本当はフィットネスとかに行って、そこでダイエットプログラムを組むのが望ましいと思います。
専門家が肥満の度合いや目標とする体重にあわせて、無理なく続けて行けるプログラムを組んでくれますから。
ちなみに僕は毎日腕立て、腹筋、スクワットを10回ずつやるようにしています。
回数は少なくても馬鹿にはできない。
きっちり負荷がかかるようにやれば、少ない回数でもかなり違います。
しかし運動だけでは足りません。
筋肉を作ろうとしている体に必要な栄養分を与えてあげて、かつその栄養がスムーズに吸収されるようにしてあげなければなりません。
そのポイントは栄養バランスのとれた食事です。
トレーニングをした後は体を修復する材料として、タンパク質が必要です。だから肉や魚を食べるなどして、たんぱく質をとる必要があります。
しかしタンパク質だけとっていればいいわけではありません。
タンパク質を効率良く吸収するために野菜もとらなくてはなりません。
栄養は、バランス良く摂らないと効果があがらないのです。
例えば朝ご飯にパンとコーヒーを食べたとします。
どちらも炭水化物なので体のエネルギー源になります。
しかしビタミンB群を摂らなければ、炭水化物がうまくエネルギーとして消費されずに脂肪として体に蓄積されてしまうのです。
また、ビタミンBは単体でそれだけ摂っても有効に働きません。
ビタミンA,B,Cが働くにはミネラルが必要で、ミネラルが働くためには酵素が必要です。
さらに、吸収した栄養素が効率良く体の隅々まで行き渡るには血液がサラサラしている必要があるので、水分は多く摂ったほうが良い。
というわけで、普段の食事で肉(や大豆)、野菜果物(ビタミン)、海苔わかめ(ミネラル)をバランスよく摂ることが望ましいのです。
最後にまとめると、無理なく続けられるダイエットのポイントは「基礎代謝を高めるための適度な運動」と、「運動効果を高めるため・摂取したカロリーを消費エネルギーにうまく換えるための、栄養バランスのとれた食事」なのだと思います。